信長の草履(ぞうり)取り

歴史上のエピソードで、豊臣秀吉がまだ日吉丸か木下藤吉郎と言われていた頃の話です。
貧農の子に生まれた日吉丸は、若き信長に「草履取り」として取り立てられます。
ある冬の日、いつもの通り信長は、素足で玄関から外へ出ます。
日吉丸は、すかさず、懐で温めていた信長の草履を土間に置きました。
殿様に冷たい思いをさせてはいけないとの一心です。
すると、信長は、それを履いた途端に「小賢しい奴め!」と言って日吉丸を蹴飛ばします。
多分、信長は憎くて蹴飛ばしたのではないでしょう。
下人の分際で、ここまで、心をこめて気を利かし、主人の為を思って先回りして
行動する日吉丸にびっくりしたのだと思います。
「こいつを取り立てた自分の目に狂いは無かった。こいつは使えるぞ!」
と感動とともに末恐ろしさを感じたのだと思います。

私は何人かの社内のスタッフにこのことを話して、
仕事をする上でのヒントとして活用してほしいと伝えています。
現代でも、仕事やプライベートでも“よく気が付き、気の利く人間”が重用され、愛されます。

ここで、たとえ話をしましょう。
もし、私が、ある会社の社員食堂の責任者として入社したとします。
私は前任者から引継ぎをしたうえで、足りないことがあると感じたとします。
そこで、今までのメニューに加えて、季節の食材やメタボリック対策用、
ストレス解消用や各病気予防などのメニューを1週間分として説明書きを添えて献立を作ります。
すべては、社員の皆さんに
「気持ちよく、健康的に仕事をしていただくために」献立を作るのです。
それらの気持は必ず、社員に伝わると思います。
「今度来た食堂の責任者は我々のことを思ってくれている。うれしい!」
その評判は社長にも伝わることでしょう。
褒められれば、やりがいもあるものです。

当社でも本当に必要な人材は、このように気が付き気の利く人間なのです。
の労働力で、残りの0.5人分以上は「知恵、工夫、改善」が出来ることです。
私達は「知的労働者」です。
このことを遺憾なく発揮していただきたいと思います。
すべては「これからの自分のため」です。
そして、そうすれば会社の為にもなります。

ぜひ、これらのエピソードをヒントに、
それぞれのビジネスシーンやプライベートでも実行しましょう。